幼児期は小学校入学で終了?
セラピストとして長く働いていると
幼児のお母さまから
同じようなことを言われます。
こんなに幼児期の子育てが大変だとは……
幼児期はもう早く終わってほしい。
そう思っていたら、今度は
やばい!もうすぐ就学だ!
ずっとジェットコースター状態なんです。
多くのお父さんお母さんにとって
お子さんの小学校入学は
「幼児期の終わり」です。
親にとって人生の大きな節目ですね。
6歳の就学に向けて
不安と期待が絡みあった気持ちは
痛いほどわかります。
ここで、ほんの少しだけ
視野を広げてみたいと思います。
幼児期を語る3つの立場
①小学校入学前までの区切りが幼児期である。
入学後からは学童期が始まる。
②小学校入学後も、個人差はあるけれど
「幼児期ならではの心身の総仕上げ」として
幼児期はしばらく延長する。
③年齢の区切りではない。実在するのは
「幼児期ならではの世界観」である。
個人差は大きくなるけれど、ずっと続いていく。
これらの3つの視点から考えていきましょう。
①の視点 ⏰
年齢という数字がクリアに決めている視点
私たちが集団で社会をつくるためには
区切りを明確にした共通のルールが必要です。
だからこそ、あらゆるものごとに
「始まりと終わりの明確な区切り」を作り出す。
そうすることで、私たち大人は
「安心できる日常」を手に入れています。
子育ても同じ構造です。
「就学」という区切りは
幼児期の終わりと学童期の始まりがセットです。
制度として明確です。
私たち大人の人生において
就学は「子育ての句読点」にもなります。
わかりやすい。
けれど、それは大人の側の都合でもあります。
②の視点 🌈
ふたつの異なる世界が混ざりあう
「接続期」を用意する視点
実際の子どもたちをていねいに見ていると
「幼児期」と「学童期」を
小学校入学日できっぱりと分けることには
どうしても無理があります。
むしろ、就学後もしばらくの間は
幼児期の総仕上げのための延長と考えたほうが
しっくりくることが多い。
白黒の明確な区切りではなくて
濃淡&変化のグラデーションで見ていくほうが
しっくりくることも多い。
もちろんお子さんによって
個人差はたくさんあります。
そのうえで、
私は臨床の場でこう見ています。
小学校低学年、目安として9歳ごろまでは
「学童期の成長」と同時進行で
「幼児期ならではの成長」も続いている。
発達に凸凹のあるお子さんの場合
周りの大人がこの視点で関わると
親子でずいぶんラクになります。
「幼児期の世界」と「学童期の世界」が
複雑に混ざりあったこの時期特有の子育ては
意味不明で、わけのわからないことも多い。
けれど、
グラデーション&変化として見てみると
やっぱり面白い。
年齢の区切りから生じる
プレッシャーを少しだけゆるめる。
それだけで、親と子の関わりは
今よりも柔らかくなります。
③の視点 🥾
幼児期ならではの「世界観」として捉える視点
私たち大人はコトバで世界を分類して
常識とルールで壁を囲って
その内側で暮らしています。
では、その壁の外側にはなにがあるのか。
物事の区切りと意味づけはあいまいだけれど
「幼児期ならではの不思議で豊かな世界」が
ずっと変わらずに広がっています。
日常生活のさまざまな不安と緊張を減らすと
積み上げてきた壁は、ゆるめることができます。
そうすると、壁の内と外の区別も
もともとあいまいだったことに気づきます。
私はこれを勝手に「探検」と呼んでいます。
コトバにはならない感覚
コトバにできない感覚
「気配」としか表現できない存在を
皮膚をとおして感じとるような体験です
そのような行為を、
心理学と呼ぶのか
アートと呼ぶのか
人類学と呼ぶのか
フィールドワークと呼ぶのか
呼び名はどれでもかまいません。
大事なことは、
そこに行ける道が
幼児期のそばに開いている
ということです。
謎はいろいろあるけれど
子育ても、人生も、
想定外のハプニングの連続です。
①の視点は、
大人の社会を回すために。
②の視点は、
目の前の子どもを見誤らないために。
③の視点は、
幼児期の場所に、大人が行くために。
3つの視点を柔らかくつなげておく。
就学は、あくまで大人の暦の上の区切り。
幼児期は続くよどこまでも
だから、急がなくて大丈夫です。
スタジオのらでは、決めつけずに
のら(野良)の視点で世界を見つめます。
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